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 真言宗豊山派 
 波切不動王明 
 781-04 高知県土佐市宇佐町龍 
 0888-56-0225 
 高知駅西南28km 

縁起

 弘法大師は唐で恵果和尚に真言 の秘法を授けられましたが大師は その恩に報いる為、帰国後お寺を 建てることを書い、持っていた独 鈷杵を空に投げました。帰国した 大師が四国を巡行中この山上の松 に杵があるのを見付け嵯峨天皇に 奏聞したのち一寺を建て、山号を 投げた杵に因んで独鈷山・青龍寺 と名付け第36番の霊場に定められ ました。  本尊の波切不動明王は大師が入 唐の折、暴風雨にあわれその時風 波を切って静めた不動明王の像を 刻まれたもので、現在でも遠洋漁 業の舶員は出港の前、船長以下全 員が当寺へおまいりして、海上安 全の祈願をしてから出航する習わ しになっています。

風景

 土佐路は凹凸のはげしいリアス 式海岸線を通るので、多くの渡し 舟が利用されましたが、近年はど こにも橋がかけられ、その姿も 段々消えて行きました。宇佐の渡 しも昭和49年に橋が開通し便利に なりましたが、白衣のお遍路が舟 で渡るのんびりとした風情は全く 見られなくなりました。  弘法大師も青龍寺を開かれる時 は8人の船頭が案内しましたが、そ の子孫が代々この権利を守り続け て来たといわれます。  青龍寺は宇都賀山の中腹に建っ ています。堂々たる山門をくぐる と正面に本堂、その左に大師堂、 右に薬師堂が並んで、潮風を受け る本堂の軒下には多くの船を描い た絵馬が奉納され、船人たちの本 尊波切不動明王への厚い信仰がう ががえます。