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 真言宗豊山派 
 不動明王 
 794 愛媛県今治市阿方 
 08998-22-5696 
 予讃線大西駅から4km 

縁起

 天平年間(729‐49)行基菩薩が不 動明王を刻みみ、本尊として近見 山の頂上に七堂伽藍を建立したの がはじまりで、後に1嵯峨天屋の勅 願により弘法大師が再興して、近 見山・宝鐘院・円明寺と号し、第 54番目の霊場に定められました。  その後は寺運も栄え七堂伽藍も 整って荘厳を極めましたが、たび 重なる兵火によって焼失し、その たびに寺は移転し、享保2年 (1717)現在地に再建されました。  寺号の円明寺は明治になってか ら53番札所と同じでは具合が悪い ところから延命寺に変えました。  境内には越智孫兵衛の墓があり ます。孫兵衛はこの地方の庄屋で したが、池普請のとき、わざと農 民に竹筒におかゆを入れさせ、巡 視に来た代官に農民の苦しみを訴 えて年貢米を軽くしてもらったた め、大飢饉の時もひとりの餓死者 も出しませんでした。

風景

 円明寺で松山市の札所を打ち終 えて延命寺から今治市へ入りま す。  延命寺は周囲を田園囲まれた静 かな環境のお寺で、もとは今治城 の城門であったという山門をくぐ ると正面に本堂、右手に庫裏、左 に含霊堂、本堂の左の石段を上っ たところに大師堂があります。山 門の右手に鐘楼がありますが、こ の鐘はちいさいけれども周囲に寺 の歴史を彫ってある貴重なもの で、戦時中も絶対に供出しません でした。寺の院号の"鐘院"はこれ に由来するといわれています。