●毎日新聞 1999.5.31

 

四国 八十八ヶ所  御影が静かなブーム

 開通記念し限定版配布

今年末まで11万枚用意

瀬戸内しまなみ海道の開通を記念し、弘法大師ゆかりの四国八十八ヶ所が納経者に配っている御影が静かな人気を集めている。寺ごとに寺院名などを記したお札状のもので、今年1月の限定版。四国巡礼を終えた人々が表具店などに表装してもらうために持ち込み、作業の忙しさが増している。 【藤原 弘】

四国八十八ヶ所霊場会が今年1月、「開通を記念して拝んでもらえるものを作ろう」と御影の配布を各寺で開始。縦約12センチ、横約6センチの銀色の紙に、各寺の本尊を梵字で表している。明石海峡大橋が開通した昨年も同様に、記念の御影を大鳴門橋が通じる徳島県の各寺院で約11万枚、他県の寺院で計約10万枚を1年間配布した。今回は各寺院用に計11万枚を用意し、今年末まで配る。

新居浜市の工房「泰峰堂」ではゴールデンウィークなどを利用して巡礼した100人以上から各寺の御影が持ち込まれ、表装作業に追われている。のりで額やびょうぶに丁寧に張りつけ1ヶ月半かかって仕上げる。作業のピークは今月下旬から来月上旬になりそう。

同霊場会常務理事の吉川俊宏・太山寺住職は「この時だけのものなので、記念として大切にしてもらえれば」と話している。