肌裏

最初の裏打ちの事を肌裏といいますが、作品と裂地の裏打ちを行います。作品の場合はした下図のような裏打ち前の処理が必要な場面が多々あります。

 

これは、古い作品の場合に多く行いますが、顔料を安定させる為に膠で作品部分を筆で止めてゆきます。表装作業中の作品の安全の為と仕上がり後、長期の顔料の保護の為に施します。

 

裂地に水分を加え縮みを入れます。これは裂の様々な癖をあらかじめ出しておき仕上がり後の裂地の伸縮を抑えてしまうためです。中には水をしなくていいものもありますので裂地の熟知が必要となります。

  

裂地が乾いたら一枚目の和紙を打ちます(肌裏)。まず裂と紙の着きをよくするため若干の水分を加え裂地の直角をだし、柄等が歪まないように合わせます。そして、硬糊で打ちます。

 

裏打ち後は、仮張りに掛けずに素干し状態にして糊の硬い皮膜を作らないようにします。