←24番札所へ 一覧 26番札所へ→

 

  
 真言宗豊山派
 延命地蔵菩薩 
 781-71 高知県室戸市室津 
 08872-2-0288 
 土佐電、バス、県交バスとも室戸から100m 

縁起

 弘法大師が大同2年(807)この 地を訪れたとき、漁業と航海の安 全を祈願して、高さ1m程の延命地 蔵菩薩像を刻んで本尊とし、堂宇 を建てて津照寺と号し第25番の霊 場と定められました。本尊については次のような伝説 があります。  慶長7年(1672)土佐藩主山内公 が室戸の沖を航行中、にわかに暴 風雨となり、船が遭難しかけたと き、本尊が僧に化身して船の舵を 取り無事室津の港へ着きました。 それ以来人々は本尊を"揖取地蔵" と呼び地元の漁民から慕われるよ うになりました。  参道の横手、山の中腹に一木神 社があります。土佐藩の家臣、一 木権兵衛は人夫173万人工費10万両 を要して港の入口をふさぐ巨岩を 除く工事に掛り、命を海神に捧げ ることを誓ってやっと成功し、そ の翌日切腹し果てました。村人は その徳をたたえてこの社におまつ りしました。

風景

 津照寺は室津港のすぐ近くにあ り、地元では津寺とよんでいま す。  室津港は遠洋漁業の基地で、漁季の前後は数十隻の漁船が碇泊し 活気にあふれます。山の麓にある朱塗りの山門をく ぐると、右手に大師堂、その後に 庫裏、信徒会館が並び、急な125段 の石段を登ったところに本堂、鐘 楼が建っています。本堂からは室津港と、そこに連 らなるひろびろとした太平洋を一 望することが出来ます。