真言宗豊山派 十一面観世音菩薩 791-11 愛媛県松山市大字高井町一〇〇七 089-975-0319 松山駅から伊予鉄バス西林寺前下車すぐ |
縁起 天平13年(741)四国を行脚中の行
基菩薩がこの地に止まられ、伊予
の国司の越智宿称玉純と語りあっ
て堂宇を建立し、十一面観世音菩
薩像を刻んで本尊としたのがはじ まりです。のち大同2年(807)弘法
大師がこの地に止まり、西南の方 向、現在地に寺を移して再興さ
れ、第48番の霊場に定められまし た。お寺の近くに杖が渕と呼ばれ
る池があります。大師が農家に 寄って水を所望したところ、農夫
は遠方から水を運んで大師に差し
上げたので、大師は農夫のために
錫杖を土に突き立てると清水が湧
き、地元の人に喜ばれたという伝 説にもとづいています。 |
風景 田圃の中に建つ西林寺は、お寺
の前を流れる川より低く、橋を 渡って石段を5,6段下がったところ
に仁王門があります。お遍路道よ り境内が低いのは88カ所中ここだけ
といわれ、この寺を無間地獄にた
とえ、罪ある者は奈落の底へ落ち
ていくところから、伊予の関所寺 といわれています。
土塀に囲まれた仁王門の横に は、正岡子規の句碑があり、「秋
風や高井のていれぎ三津の鯛」と
刻まれています。テイレギはこの 辺の清流に発生する水藻の1種で、
芳香を放ち、刺身のツマとして珍
重されています。民謡伊予節にも
お寺のある高井町のことを「高井
の里のテイレギや……」と歌われ ています。 境内の右手に庫裏、石段の上に
大師堂、鐘楼と新しい本堂が並ん でいます。 |