室内装飾品や調度品として、日本建築の空間やアートシーンを風情豊かに演出している日本文化特有の 掛軸・和額・屏風 などの日本人の美意識
が凝縮された美術、工芸品を製作、修理・修復などをすることを表装といいます。
字の如く表を装う意味からきています。日本画や書、染織などの作品だけでは、何処にも飾る訳にはいかないと思います。そこで作品に衣装を着せて、その作品を生かすように
努めますが、われわれ表具師にとって、その取り合わせが肝要であり作品を生かすも殺すも表具師にかかっています。
また、
表装は長い歴史があり、現代のアートセンスだけではできない難しい決まり事が沢山あります。たとえば、その形式についても真行草と
いうような茶道や華道の世界によくにたものがあり、使用する材料についても名物裂、手漉きの紙、漆、金箔、等々きりがないほどありますが、それらを理解しておかないと表面上だけの装飾品となり本来の日本伝統工芸の心を生かした表装が製作出来ないのではないかと思
っております。
近年の表装については、簡単な熱着式の機械表装が多くなりましたが、そのような施工がほんとうに後世まで残る仕事か疑問です。専門家によると文化財などでは、そのような仕事を認
めていないようです。表装工房
泰峰堂では簡易な風潮に流されず 500年余つづく伝統的な仕事と原材料に拘りを持って、手漉和紙に糊と打ち刷毛で裏打ちをし自然乾燥で作られる全て手加工・手打ちの本物の伝統表具を代々、作り続けております。
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